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このシリーズでは、軽度知的障害や発達障害がある生徒を対象とした自立活動について、A特別支援学校の取り組みを軸に紹介していきます。
※本記事の作成に当たり、A特別支援学校からの許可をいただいています。
今回からは2、3学年で行われた授業実践について紹介します。
2、3学年の授業形態
自立活動は、実態を詳細に把握し、それぞれに応じた目標を設定し、その目標を達成するためにどのような指導を行うかということを教師が自ら考えて取り組むことが重要となります。
つまり、自立活動の指導は生徒一人一人に対してオーダーメイドで行うことが求められます。そこで、A特別支援学校では2、3学年に関しては課題や目標が似通った生徒同士でグループを編成し、自立活動の指導を行われました。
グループ編成は以下の手順で行われました。
個別の教育支援計画・個別の指導計画、自立活動チェックリスト集計表を活用し、学級担任による個別面談を実施する。
面談の主な内容として…
●得意な面、不得意な面を整理する
●自立活動に関する項目(特に人間関係やコミュニケーション)に関して、優先順位を整理し、1年間での目標を設定・確認する
●個別の指導計画(自立活動)とのリンクを確認する
【心理的な安定】【人間関係の形成】【コミュニケーション①】【コミュニケーション②】の4グループを設定する。生徒との面談で設定、確認した自立活動の年間目標に即して、学級担任がグルーピングを行う。その際、グループの人数、生徒同士の相性なども考慮する。
心理的な安定が主のグループ:ストレス等への対応やサポートの求め方、変化への対応、柔軟さ、成功体験不足による意欲の低さに取り組むグループ。
人間関係の形成が主のグループ:他者の言いたいことや感情を理解する、自分がどう見られているか考える、集団の雰囲気を感じる・合わせて行動することに取り組むグループ。
コミュニケーション①:自分の考えや気持ちを伝える、他者の考えや仕草を読み取る、選択やジェスチャーなどで気持ちを伝えることに取り組むグループ。
コミュニケーション②:アサーション、SST、場や相手に応じた態度・話題、話の前後や流れの把握や推察することに取り組むグループ。
グループの担当者、アドバイザーが担任とのやりとりを通して、当該グループの生徒の実態や自立活動の年間目標を共通理解し、学習の目的と内容、各時間における個別の目標を設定するなど、実態、目標に即して、各グループの学習計画を立てる。
グループ別の授業では、授業担当者が学習指導案(略案)を作成し、学級担任間で、学習している内容やその時間の個別の目標等を共有する。授業後には、指導案(略案)の【様子】【評価】の欄に本時の評価について記入する。
授業後にそれぞれのグループの指導者で学習指導案(略案)に、ポイントとなる様子、評価を記入し、各学年で回覧を行い共通理解を図る。
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【現状の把握】→【目標設定】→【計画の策定】→【授業の実施】→【評価・振り返り】という流れがポイントとなりそうですね!
今回はグループで取り組んだ「インタビューしよう」の授業実践について紹介します。
学習活動の流れ
実際の学習活動は以下のような流れで行われました。
- アイスブレイク(サイコロトーク)
- 活動内容や個人の目標を確認する
- インタビューをする
- インタビューした結果をまとめ全体で報告する
- 自己評価シートに記入する
インタビューをしよう
インタビューは以下の流れで行われました。
①挨拶 | 「こんにちは」「よろしくお願いします」 |
②自己紹介 | 「A学校の〇〇です」 |
③内容説明 | 「本日は〇○君(さん)の事についてお聞きします」 |
④インタビュー | 「質問は3つあります」 |
⑤感想 | 「話を聞いて、〇〇だと思いました」 |
⑥お礼 | 「お忙しい中、ありがとうございました」 |
⑦挨拶 | 「失礼します」 |
- 誕生日を教えてください。
- 好きな食べ物は何ですか?それはなぜですか?
- 好きなTV番組はありますか?それは何ですか?
- 趣味はありますか?それは何ですか?
- 今一番頑張っていることは何ですか?
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インタビューをした結果は、ワークシートにまとめて全体で発表します。
次回は…
次回の記事では「自立活動の授業の実際⑥-話しやすい話題を考えよう-」について紹介していきます。
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