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数の概念理解を目的とした教材の紹介

対象とする児童の実態イメージ(小学1年生)

保育園からの引き続き事項

・数をかぞえるのが難しい
・3以上の数が認識できない
・自分の名前(文字)を書くことが難しい
・生活の中の数がわからない
 「机を2個並べよう」「お友達3人で集まろう」などの指示理解が難しい

教材の学習指導要領上の位置付け(算数、小学部1段階 数量の基礎)

従前の1段階の「A数量の基礎、数と計算」のうち、数量の基礎には、数と計算以外の領域の基礎となる内容も含まれており、それらの内容の系統性なども考慮し、1段階に「A数量の基礎」を単独の領域として位置付けて示すこととした。

特別支援学校学習指導要領 第3算数科 1算数科の改訂の要点 (2)内容の改訂の要点

【参考】算数 小学部1段階 B 数と計算

知識及び技能ものの有無や3までの数的要素に気付き、身の回りのものの数に関心をもって関わることについての技能を身につけるようにする。
思考力・判断力・表現力身の回りのものの有無や数的要素に注目し、数を直感的に捉えたり、数を用いて表現したりする力を養う。
学びに向かう力、人間性等数量に気付き、算数の学習に関心をもって取り組もうとする態度を養う。

【参考】算数 小学部2段階 A 数と計算

知識及び技能10までの数の概念や表し方について分かり、数についての感覚をもつとともに、ものと数との関係に関心をもって関わることについての技能を身につけるようにする。
思考力・判断力・表現力日常生活の事象について、ものの数に着目し、具体物や図などを用いながら数の数え方を考え、表現する力を養う。
学びに向かう力、人間性等数量に関心を持ち、算数で学んだことの楽しさやよさを感じながら興味をもって学ぶ態度を養う。

【参考】算数 小学部3段階 A 数と計算

知識及び技能100までの数の概念や表し方について理解し、数に対する感覚を豊かにするとともに、加法、減法の意味について理解し、これらの簡単な計算ができるようにすることについての技能を身に付けるようにする。
思考力・判断力・表現力日常の事象について、ものの数に着目し、具体物や図などを用いながら数の数え方や計算の仕方を考え、表現する力を養う。
学びに向かう力、人間性等数量の違いを理解し、算数で学んだことのよさや楽しさを感じながら学習や生活に活用しようとする態度を養う。

児童の実態イメージから小学部2段階の教材を作成

対象とした児童のイメージ

・数をかぞえる(数唱)が難しい。
・3以上の数が認識できない。
・同時処理タイプ(視覚優位:全体から部分への理解)

小学部2段階を扱うことにした。

数の指導の順序【かずに親しむ→集合数・数詞・数字→大小比較】

数の指導の順序
  1. かずに親しもう
  2. 集合数、数詞、数字の三者の関係の理解
  3. 数の大小比較

1.かずに親しもう

2.集合数、数詞、数字の関係理解

3.数の大小比較

教材① 数字の絵描き歌

【ポイント】数詞・・・数字を視覚的な情報と共に提示できる

活動留意点
「数字の絵描き歌」で数字の形を知る。
①歌詞と同じ絵カードを使って、歌いながら数字の形を知る。
②絵カードの数字を指でなぞる。
・耳になじみのあるメロディーの歌にした。(YouTube等で、簡単に検索可能で家庭でも活用できる)
・表は数字と絵、裏は数字と読み方(ひらがな)にした。

・表面のカードの数字は凹凸をつけて、触覚でも確かめられるようにした。
・生活の中の数字に触れ、数に慣れ親しめるようにする。
・日常生活の中で繰り返し聞く(歌う)ことで記憶に残る。

【評価】視覚的な手がかりを使って、数字に慣れ親しむことができた。
歌詞【すうじのうた】
  • すうじの  1は なーに こうばの えんとつ
  • すうじの  2は なーに おいけの がちょう
  • すうじの  3は なーに あかちゃんの おみみ
  • すうじの  4は なーに かかしの ゆみや
  • すうじの  5は なーに おうちの かぎよ
  • すうじの  6は なーに たぬきの おなか
  • すうじの  7は なーに こわれた ラッパ
  • すうじの  8は なーに たなの ダルマ
  • すうじの  9は なーに おたまじゃくし
  • すうじの 10は なーに えんとつと おつきさま

教材② 絵カード合わせ

活動留意点
絵カードの図柄と数字(1〜5)の組み合わせを考える。
①数字カードにサイコロの模様の絵カードを並べる。
②他の絵カードを数字カードの下に並べる。
③数字カードに並べられた絵カードをモデルに、他の絵カードと数字カードのマッチングをする。
④絵カードの図柄をかぞえて、その数を確認する。
・サイコロの目の空間的配列を手がかりに、集合路理解しやすくした。
・サイコロの目の空間的配列を手がかりに、図柄の数を示す数字のマッチングをする。
絵(対象物)が変わっても、数は同じと認識させる。
・繰り返すことで、サイコロの目の配置以外のカードでも、かぞえて数を確認できるようにする。
【評価】5までの数を読むことができる。

絵カード合わせの活動

【活動①】数字カードにサイコロの模様の絵カードを並べる。

サイコロの目カードを1,2箇所外しておき、空いているところにカードを並べるという練習から始める。

数字カードを見て、一人ですべてのサイコロの目カードを並べられるようになったら、次の段階に移る。

慣れてきたら、サイコロの目に数字カードを並べる。

【工夫点】サイコロの目の空間的配列を手がかりに、集合を理解しやすくした。

サイコロの目カードの配置から、数字が読めるようになってきたら、サイコロの目カードと同じ並べ方の、リンゴの絵カードでも練習をする。
このとき、数字とサイコロの目カードのボードはお手本になるので、上に並べて置いておくようにする。
写真のように、「空いているところにリンゴのカードを置いてみよう。」と練習をする。

サイコロの目カードと同じ並べ方の、カメの絵カードでも練習をする。
このときも、数字とサイコロの目カードのボードはお手本になるので、上に並べて置いておくようにする。
右の写真のように、「空いているところに数字のカードを置いてみよう」と、数字カードを並べる練習も行う。
練習をくり返すうち、絵が変わっても、かずは同じということに子どもが気づいてくる。

次は、絵カードの図柄を数えて、数を確認する練習をする。
ここで使うカードは、インターネットのフリー教材のサイトから作成した。
あえて、サイコロの目の配置ではない絵カードを使うことで、「かぞえる」という活動を促せるようにした。

この活動は、サイコロの目の配置以外でも、数えて数を確認できるようにすることがねらい。
特に、指で数を表すサインは、生活の中で多くの人が使う、とても身近なもの。 様々な絵カードを使うことで、どんなものにも数があるということに気づかせていく。

ピアジェの名言と教材「教材③くらべるシート」

1対1対応は数理解のもっとも基礎的な原理であり、それが理解できなければ保存も獲得もできない というピアジェの言葉。

次は1対1対応ができるようにするために作成した教材です。

教材③ くらべるシート(1対1対応)

これは、透明折り紙を切るだけで完成。
子どもの好きな色で、すきな幅で、いくつでも簡単に作ることができる。
また、家庭で宿題をするために、自分で作ることもできる。
ただし、自分で作る場合は、はさみの取り扱いなどの注意をしておくことが必要。
透明おりがみにこだわらず、余っているクリアファイルなど、半透明なものであれば作成可能。

活動留意点
くらべるシートを用いて、数の比較をし、視覚的にその違いに気づく。・くらべるシートを用いて、視覚的に図柄の1対1対応をさせる。
・残った方はどちらかを考えさせ、多少を比較させる。
・ワークシートは、日常生活の中で必然性がある場面を想定した。
・2と3、3と4、5と6・・・と、段階的に比較する量を増やした。
・後半のワークシートは、比較の対象物を変えて作成した。
【評価】集合数を数字で表し、他の集合と比較することができる。

教材④ タイル付き数字カード

【材料】
・ミニホワイトボード
・ラミネートフィルム
・マグネットシール

数が多くなるにつれ、タイルカードのでこぼこが多くなることを食感でわかるように工夫。

活動留意点
数字の大小を比較する・タイル付き数字カードを比較して、視覚的に大小を比較させる。
・1〜10の数字カードと、数に対応したタイルカードの大小で数字カードの大小を比較しやすくした。
・数を唱えながら、タイルカードを置く、タイルカードを見て数字カードを置く、など繰り返すことで、数の大きさが理解できるようにする。
・タイルの境目は凹凸をつけて、触覚でも確かめられるようにした。

【評価】数字の大小を理解することができる。

数を唱えながら、タイルカードを数字カードの上に並べる。
繰り返し行うことで、タイルカードがどんどん大きくなるなぁと子どもが実感できるようになる。

次に、タイルの数を数えながら、タイルカードの下に数字カードを並べる。

数が進むとタイルが階段のように高くなっていくことに気づいていく。

児童の学習状況の変化と作成者の思い出

作成された先生の思い出

「あのとき、もう少し工夫した支援ができなかっただろうか」という反省があったので、支援を見直し、教材を作成しました。

実際の学習状況は、本人と家庭と相談しながら、少しずつ支援を行い、2学期の終わり、12月ごろにようやく10までの数唱ができるようになりました。

数唱ができるようになったことで、たし算・ひき算も少しずつできるようになっていきました。
自分の指を使って、一生懸命数えて答えを出していました。

1年生の3学期には、たし算は8+5のような繰り上がりを、ひき算は16-9のような繰り下がりまでマスターしなければなりません。

3学期には、10本の指だけでは足りなくなったので、実際にこの写真の教材も使いながら、答えを導いていました。

たし算なら、右に進む、数が大きくなる。

ひき算なら、左に進む、数が小さくなる。と教えて、数えながら、指を動かして答えを出していました。

この教材も木工用ボンドで凹凸をつけています。
指を動かすと、指に伝わる振動で、数の動きを感じていたようで、「家で宿題するときにも使いたい。」と 本人はとても気に入って使っていました。

参考図書と教材作成に活用した素材

参考図書:「長所活用型指導で子どもが変わる」藤田和弘・青山真二・熊谷恵子(編著)、図書文化

素材:ちびむすドリル(幼児の学習素材)

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