このツールを作った背景
中学校の特別支援学級には、いろいろな進路をめざす生徒がいます。全日制や定時制・通信制の高校、高等支援学校や特別支援学校の高等部、高等専修学校。高校の中には、通級による指導を受けられる学校もあります。一つの学級の中に、高校をめざす生徒と特別支援学校をめざす生徒が一緒にいることも、めずらしくありません。
そのぶん、担任の先生が知っておきたいことは多くなります。入試のしくみや出願の条件は地域によってちがい、資料もたくさんあります。中学3年を担任して、はじめて進路の手続きの流れを知る先生もいます。保護者から「特別支援学級からでも高校に行けますか」「高校に入ってから支援はありますか」とたずねられて、どこまで、どう説明すればよいか迷うこともあります。進路指導について、手がかりがほしいと感じている先生は少なくありません。
一方で、高校などに進んだあとは、困ったときに自分から「わかりません」「手伝ってください」と伝える場面が増えます。自分の得意なこと・苦手なことを自分の言葉で話せること、助けを求められることは、新しい学校で過ごす大きな支えになります。こうした力は、中学校の3年間で少しずつ育てていくことができます。
そこで、中学校の特別支援学級の先生が、進路指導を見通しをもって進められるように、ガイドであり教材でもあるツールを18本作りました。先生が使うもの、生徒が使うもの、保護者と一緒に使うものがあります。どれも授業アプリライブラリから無料で使えます。インストールも登録もいりません。
中学校(特別支援学級)進路サポートツールの特長
- 先生用11本・生徒用6本・保護者用1本:進路の選択肢のくらべ方から、3年間の見通し、保護者面談の準備、高校への引継ぎまで。生徒が自分のことを考えるワークと、保護者と一緒に書きこむ進路ノートもあります。
- 全国どこでも使えます:入試のしくみや日程など、地域によってちがうことは決めつけず、「どこで確かめるか」を添えて、書きこむ欄を用意しています。
- 特定の学校をすすめるものではありません:進学先を決めるのは本人と保護者です。決めるための材料を整理することを大切にしています。
- 書いた内容は端末に残りません:入力したことは保存せず、どこにも送りません。続きを書きたいときは「ファイルに保存」して、次に「ファイルを開く」で読みこみます。共用のタブレットでも使えます。
- 白紙のワークシートを印刷できます:書きこむツールはすべて、何も書いていないワークシートを印刷できます。紙に手で書きたいときにも使えます。
- 生徒の名前を書かない作り:先生用のツールでは、生徒を記号(A・B・A2 など)で選びます。名前やイニシャルを入れる欄はありません。
- ふりがなと読み上げ:すべての漢字にふりがなを付けられます(生徒用は最初からふりがなあり)。読み上げは端末の中の声だけを使います。
3年間の流れの中で、こう使えます
- 中学1年・2年のうちに:3年間の見通しを先生・本人・保護者で共有し、自立活動で「よさ」や「助けを求める力」を少しずつ育てます。(T2「進路指導カレンダー」/T9「自立活動3年間プランナー」/S1「好き・得意・夢中マップ」/S2「わたしのこまり方と手助け」/P1「保護者向け進路ガイド」)
- 見学・説明会の時期に:先生は下調べ、生徒は自分の目で確かめてふりかえり、学校どうしをくらべます。(T6「学校見学の下調べシート」/S4「学校見学じぶんチェック」/T1「進路の選択肢くらべ表」)
- 中学3年で志望校を考えるとき:保護者面談の準備をし、第一希望がかなわなかったときの道も早めに整理しておきます。(T7「保護者面談の準備シート」/T5「第一希望がかなわなかったときの道筋シート」/T3「よくある誤解のQ&A」/T4「高校の支援・合理的配慮ガイド」)
- 入試に向けて:持ち物・生活リズム・当日の移動・面接の練習を、本人と一緒に確かめます。(T10「入試準備チェック」/S5「面接練習カード」/S6「生活スキル・通学チェック」/S3「助けを求める練習」)
- 合格したあと:本人・保護者の同意を確かめたうえで、得意なことや助けになった手立てを進学先へ引き継ぎます。(T8「高校への引継ぎシート」)
地域の入試のしくみや相談先は、T11「地域の進路情報ノート」に集めておくと、学年の先生どうしで共有でき、次の年度にも使えます。
先生用(11本)
進路の情報を整理し、生徒・保護者への説明や、校内での共有に使うツールです。
生徒用(6本)
生徒が自分のことを考え、見学や面接、高校生活に向けて準備するツールです。最初からふりがなが付き、できたことを音と光でお祝いします(音は最初は消えています)。選択肢にはどれも「その他(自分で書く)」があります。
保護者用(1本)
保護者が進路の選択肢や3年間の流れを知り、住んでいる地域の情報を調べながら書きこんでいくノートです。面談で先生と一緒に書くこともできます。
高校での支援とつなげる
高校生向けのツールとして「高校生サポートツール」もあります。中学校のT8「高校への引継ぎシート」で引き継いだ内容を、高校の先生が「個別の計画・移行引継ぎシート」で受け取って、続けて支援に生かすことができます。
使ってみた感想や、「ここが使いにくい」「こんな項目がほしい」といった声を、ぜひお寄せください。いただいた声をもとに、少しずつ直していきます。


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