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【手作り教材】身近なものでできる!子どもの「できた!」を引き出すマッチング課題アイデア集

「子どもの発達のために、何か良い教材はないかな?」「手作りしてみたいけど、何から始めたらいいか分からない…」

先生や保護者の方から、そんなお悩みをよくお聞きします。市販の教材は素晴らしいものが多いですが、高価だったり、子どもの発達段階にぴったり合わなかったりすることも。

そこで今回は、ペットボトルのキャップやお菓子の空き箱、100円ショップで手に入るアイテムなど、身近な材料で簡単に作れる手作り教材をご紹介します。これらの教材は、特に幼児期や特別支援教育の現場で重要となる「マッチング(1対1対応)」や「指先の動き」を楽しく育むのに最適です。子どもたちの「できた!」という笑顔と自信を引き出す、愛情たっぷりの教材アイデアをぜひご覧ください。

 この教材で身につけられる力

今回ご紹介する教材は、遊びのように見えますが、子どもの発達に欠かせない様々な力を育むことができます。

  • 指先の巧緻性(微細運動)
    ポンポンやビーズを「つまむ」、容器の穴に「入れる」、シールを「はがす・貼る」といった活動を通して、指先を思い通りに動かす力を養います。これは、のちの運筆や箸の操作にもつながる大切な力です。
  • 1対1対応の理解
    「1つのカップに、1つの果物を入れる」「1つのマスに、1つのビーズを入れる」という活動を繰り返すことで、「1対1対応」の概念を体験的に学びます。これは、数を数えることの土台となる非常に重要なスキルです。
  • 集中力・持続力
    目の前の課題にじっくりと取り組むことで、集中力を養います。スモールステップで課題を設定し、「全部できた!」という達成感を味わうことが、次の活動への意欲につながります。
  • 弁別・分類の力
    「赤いポンポンだけ集めよう」「お花の形だけトレイに入れよう」といった活動を通して、色や形の違いを見分け、仲間分けする力を育てます。
  • 自己肯定感
    「自分でできた!」という成功体験は、子どもの自信と自己肯定感を育みます。手作り教材なら、子どもの発達段階に合わせて難易度を調整し、成功体験を積み重ねやすいのが魅力です。

 教科・領域の位置付け

これらの教材は、様々な教育の場面で活用できます。

  • 特別支援教育(自立活動)
    • **身体の動き:**手指の巧緻性を高める。
    • **コミュニケーション:**物のやり取りや要求の表出(「ちょうだい」「どうぞ」)。
    • **人間関係の形成:**順番を守る、協力するなどの社会的スキル。
  • 幼児教育(幼稚園・保育園)
    • **領域「健康」:**体の諸機能の調和的発達(指先の操作)。
    • **領域「環境」:**数量や図形、文字などへの関心・感覚。
    • **領域「表現」:**つくることを楽しみ、創造性を豊かにする。
  • 小学校(生活科・算数・図画工作)
    • **算数:**具体物操作を通した数の概念形成。
    • **図画工作:**材料の特性を活かした造形遊び。

 教材の使い方

写真の教材の具体的な使い方をご紹介します。

  • 入れる・はめる課題

製氷皿やチョコレートの空き箱は、絶好のマッチングトレイになります。ビーズ、ポンポン、おもちゃの果物などを、1つのマスに1つずつ入れていきます。ヤクルトなどの容器も、中に何かを入れたり、棒状のものを差し込んだりする活動に使えます。

  • 並べる・構成する課題

ペットボトルのキャップや乳酸菌飲料の容器を並べて、形を作る活動です。最初は自由に並べ、慣れてきたら見本と同じ形を作る「模倣」の課題にも発展できます。

  • 組み合わせる・完成させる課題

花と茎が分かれたシールを組み合わせて、1つの花を完成させます。部分と全体の関係を理解するのに役立ちます。男の子・女の子の絵とオムライスの絵を組み合わせる教材も、ごっこ遊びに繋がり、コミュニケーションを促します。

  • ルールのあるゲーム

4つ並べゲームは、単純にチップを入れるだけでも楽しいですが、交互に色を識別して入れる、列を意識するなど、ルール理解や先の見通しを立てる力を養います。

 うまくいかない場合の工夫

子どもが課題につまずいた時は、少しだけハードルを下げてあげることが大切です。

  • うまくつまめない場合: ポンポンやキャップなど、大きめでつまみやすい物から始めましょう。トングを使うのも良い練習になります。
  • どこに入れればいいか分からない場合: 入れるマスにシールを貼るなど、視覚的なヒントを与えます。指導者が子どもの手を取って一緒に行う(ハンドオーバーハンド)のも有効です。
  • 集中が続かない場合: まずは「3つだけ入れよう」など、少ない数から始め、見通しを持たせます。子どもの好きなキャラクターのシールを貼るなど、興味を引く工夫も効果的です。

 学習指導案(例)

特別支援学校の自立活動を想定した、簡単な指導案の例です。

単元名

指先を使ってやってみよう

本時の目標

容器のくぼみに、物を1つずつ入れることができる。

対象

小学部 低学年

準備物

・お菓子の空き箱のトレイ・カラフルなポンポン(子どもの好きな色を多めに用意)

活動の流れ

【導入】1. 教材を見せて「ふわふわのボールがたくさんあるね!」と子どもの興味を引く。2. トレイを見せ、「お部屋がたくさんあるね。ボールのおうちだよ」と伝える。

【展開】1. 教師がやってみせる(モデリング)。「見ててね。赤いボールを、このお部屋に…ポン!」2. 子どもに「やってみる?」と促し、ポンポンを渡す。3. 子どもが自分でトレイに入れるのを待つ。難しい場合は、入れる場所を指さしたり、手伝ったりする。4. 1つできたら「入ったね!上手!」とたくさん褒める。5. 全てのポンポンを入れられたら、「全部おうちに入ったね!すごい!」と達成感を共有する。

【まとめ】・入れたポンポンを一緒に数えたり、片付けたりする。・「またやろうね」と次への意欲につなげる。

 応用・発展

これらの基本的な活動は、様々な学習に応用できます。

  • 数の学習へ: 「ビーズを3つください」「バナナを5本カップに入れて」など、数と言葉を結びつけます。
  • 色の学習へ: 「黄色いポンポンだけ集めて」「青いキャップと赤いキャップを分けて」など、色の弁別・分類課題を行います。
  • 位置・空間認知の学習へ: 見本と同じ場所にシールを貼ったり、キャップを置いたりします。「上の段に入れて」「右から2番目に入れて」といった指示理解の練習にもなります。
  • ごっこ遊び・言語活動へ: 「オムライスをどうぞ」「ありがとう」といったやり取りを取り入れ、お店屋さんごっこなどに発展させます。

いかがでしたでしょうか。
手作り教材の魅力は、お金をかけずに作れることだけではありません。子どもの発達段階や興味に合わせて、世界に一つだけの教材を作れることです。ぜひ、ご家庭や園・学校にあるものを活用して、子どもたちの「楽しい!」「できた!」を引き出す教材作りに挑戦してみてください。

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