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【シリーズ】教員生活38年間から得た宝物④~中学校におけるインクルーシブ教育のコーディネート~

りんご
りんご

このシリーズで紹介するのは、教員として38年間務めてきた中学校の先生が教育現場で体験したことから学んだ知恵です📕

モトヨシ
モトヨシ

教育現場をリードし、支援している先生方に役立つ考え方だと思って記事執筆を依頼いたしました😊

今回は最終回「中学校におけるインクルーシブ教育のコーディネート」というテーマでお送りします。

著者の自己紹介

サカモト
サカモト

某所の公立中学校で38年間、センセ(先生)してました。 

定年退職した今は、お母さんや、学校の先生をエンパワメントさせていただくエンパワラーとして活動しています。 (「エンパワラーって何やねん?」って思われた方は、お手数かけますがわたしのブログを覗いてくださいませ。

成長した『A中の木』

【シリーズ】教員生活38年間から得た宝物①~こども支援コーディネーターって?~ で、こども支援コーディネーターが果たすべき役割について書かせていただきました。

校内にあるいろんな部署をひとつのまとまりとして機能させる』ということでしたよね。

学年や教科、部会や委員会など、校内組織の各部署が、バラバラな方向を向いて勝手気ままに動くのではなくて、同じ方向を向いて、足並みをそろえながら動くことができるようコーディネートする。

それが、こども支援コーディネーターが果たすべき一番大きな役割、と書かせていただきました。

では、わたしは、どのような方法で校内組織の各部署をコーディネートしたのでしょうか。

コーディネートするにあたって、わたしがど真ん中に据えたのが『A中の木』

木、と言ってもホンマもんの木ではありません。

『A中の木』というのは、インクルーシブな学校づくりに必要不可欠な人権教育の視点、支援教育の視点を土壌として、こどもたちの自尊感情を高めることで自立する力と調和する力を引き出すことができるよう、校内組織のそれぞれの部署が取組むことを一本の木に置き換えて表したものです。

年度初めに、その木を先生方に提示し共通理解することで、校内の各部署が大切にするもの、目指すものが、部署ごとにバラバラなものにならないようにしました。

これは、効果がありました。

学校としてぶれない柱となるものを打ち立てることができるのですね。

その柱を拠り所として、各部署が取り組みを考え実行していくのです。

学習指導面においては、従来、存在していた学習指導部だけでなく、授業改善に特化した学力向上委員会が立ち上げられました。

授業改善のポイントは、授業を構造化すること、そして視覚的&聴覚的に支援をしていくこと

学力向上委員会は、そのポイントに基づいて研究授業や研修を企画し実施していきました。

それが積み重なっていくと、このふたつのポイントは授業だけに留まることなく、教育活動全般に拡散していきます。

その例として学習指導部と生徒指導部の先生方の連携があります。

学習指導部と生徒指導部の先生方が、校区の小学校を見学に行ったのです。

小学校から中学校に上がってくるときの授業や学校生活の段差を少しでも解消するために、小学校で行われている支援を学びに行かれました。

これは、小学校の先生と中学校の先生がつながっていく大きなきっかけになりました。

それまでは、小学校の先生と中学校の先生の間に、見えない壁のようなものが存在しており、つながるどころか、内心ではお互いに批判的な目で見ているようなところがあるのを、わたしは強く感じていました。

でも、この見学以降、小学校と中学校の連携が授業づくりの面、生徒指導の面においてどんどん進んでいきます。

モトヨシ先生から与えていただいた大切な視点が、校内すべての教育活動に広がっていき、小学校の先生方と共通の言語(?)を持つことができるようになっていったのです。

その広がりとともに校内の物理的な環境も変わっていきました。

校内のあちこちに、新たに案内の表示が次々と設置されていったのです。

誰が見ても、何をする場所かすぐわかるようイラストも工夫されたものになっていきました。

生徒指導面では、生徒指導部が『Aナビ(A中ナビゲーション)』という「これ一冊あれば、A中のことが丸わかり!」という冊子を数年かけて作り上げました。

学校生活に関わることのほぼすべてが、視覚化されてわかりやすく説明されています。

入学説明会や年度初めに、このAナビを使って先生方がこどもたちや保護者さんにA中の生活について説明するようになりました。

その結果、こどもたちに対する先生方の指導にバラつきがなくなっていきます。

それだけではなく、いじめ防止基本方針や問題行動対応チャートなど、本来、あまり積極的に公開することがないのではないか、と思われるものも冊子に載せ、こどもたち、保護者さんにオープンにしたのです。

その結果、こどもたち、保護者さん、先生方の間の風通しが、以前に比べずっとよくなっていきました。

このAナビを目の前で開いて、こどもたち、保護者さん、先生が学校の決まりごと、約束事も共通認識していく。

そうすることで、こどもたち、保護者さんとのトラブルも減っていきました。

トラブルが起きる前に、説明すべきことを共有していますから。

また、生徒指導面では、生徒指導部だけでなく、こども支援委員会が、こどもたちの問題行動の裏側にあるものを見る目(感性)を磨くことにこだわって取り組みを提案していきました。

こどもたちが表面に見せている姿の裏側には、発達の特性愛着の傾向抱えている生活生きてきた歴史があります。

それらをしっかり見ることができるように、また見逃してしまうことがないように、『配慮が必要な子シート』『こどもたちのつまずきに気づこうシート』『つながりシート』など、いろんなシートを作って、こどもたちひとりひとりのことを細部にわたって見て、配慮が必要な場合、支援が必要な場合があれば拾い上げ、適切な配慮、支援ができるようにしていました。

さらにホンマもんの集団づくりによって、先生とこどもたち、そしてこどもたちどうしがつながることができるような取り組みも推進しました。

特別活動面では、特活部が中心となって、生徒指導部と連携し、ゼロトレランス時代の名残りである、『違反者は行事に参加させない。』という、こどもたちを排除する考えから、

どうしたら行事に参加できるのか?

という、こどもたちを受容する考えに転換していくことに取り組みました。

そして、その先生方の考え方の転換は、こどもたちの意識もどんどん変えていきます。

学校には、いろんな理由で集団に入ることができない子がいます。

かつて授業に入ることができず徘徊していた子らがいたのと同じですね。

その裏側に何らかのしんどさを抱えているため、集団に入れないのです。

そのような子への周りのこどもたちのかかわり方が変わっていきました。

「この子、どうしたら集団に入れるんやろ…。」って、周りの子らが考え行動し始めたのです。

体育大会の縦割り応援団のポンポンの練習に入れない別室登校の子がいました。

そうしたら、応援団の子らが、昼休みに別室を訪れて、ポンポンの振り付けを書いた紙をその別室登校の子に渡してくれて「やってみてわからんかったら、明日も来るから言うてね。」って声をかけてくれたのです。

そんな出来事が普通に起こり始めました。

サカモト
サカモト

こどもたちは、わたしたち大人をモデルとして考え行動してる!

こどもたちの変わり様を目の当たりにしたわたしは、そう確信しています。

学校は生き物である

さて、そんなA中の木ですが、最初はめっちゃシンプルで、見るからに貧相なものでした。

それが時を経るにつれ、土壌はどんどん盛り上がり、幹はドーンと太くなり、枝葉がモクモクと生い茂っていきました。

「学校は生き物である。」

っていう言葉を聞いたことがありますが、この木の成長と学校が変わっていく様を見ていたら「ホンマ、そう!」って思いました。

この木が成長するにつれて、A中はインクルーシブな学校に変わっていったのです。

『万人のための教育』であるインクルーシブ教育。

そんなインクルーシブ教育をするためには、『すべてのこどもたち、誰ひとり排除しないインクルーシブな学校づくり』が不可欠。

それが、わたしのたどり着いた結論です。

38年間の教員生活、寄り道したり、後戻りしたり、時には道を外れたり、立ちすくみ動けなくなってしまったり…、そんなわたしを、モトヨシ先生や現場の先生、地域の方や保護者さん、それに何よりこどもたちが支え励まし続けてくれました。

そのおかげで、わたしは、わたしなりの結論にたどり着くことができました。

ありがたいことです。

そんなわたしの積み重ねてきた学びを、ひとりでも多くの先生にお伝えすることができたら…と思い、長々と書き綴らせていただきました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

サカモト先生と仕事をする中で学ばせていただいたこと

モトヨシ
モトヨシ

今回はこのシリーズ最終回ですので、私の思いも書かせていただきます。

学校の外にいて、メディアの情報や、統計資料だけをみていると「学校はとても大変なところ」という印象だけをもちます。
遠くにいて、頭で考えて口先でぶつぶつ何か言っているだけの状態でした。

そんな中で、特別支援教育を力強く推進していかれている大学の先生、教育委員会事務局の指導主事の先生、現場の先生方との出会いがあって、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。保護者の方、子どもたちとの関わりの中で学ぶこともたくさんありました。

きっと私の対応としては60点ギリギリぐらいだったと思いますが、それでも期待をかけていただいて、機会を与えていただいて、温かい言葉や時には自分を見つめ直さないといけないような言葉もいただいて、本当に感謝しています。

サカモト先生と仕事をさせていただく中で、

モトヨシ
モトヨシ

コーディネーターが機能するってこういうことか!

という経験を何度もさせてもらいました。
「丁寧に対話を重ねて繋いでいく」言葉にすることは簡単ですが実践することは簡単ではありません。
その取り組みの中に入れていただいたおかげで、
「機能するとこういうふうに学校は変わっていくんだ!」
という私のビジョン形成につながる経験ができました。

長く生きれば生きるほどに、あの時間は短い期間になっていくのですが、本当に密度の濃い時間でした。当時出会った先生方で、私からきちんと御礼を言えていない先生方がたくさんいらっしゃいます。

私なりに、今、近くにいる現場の力になることが恩返しになると思って、これからも頑張っていきたいと思います!

サカモト先生、記事の作成ありがとうございました😊✨

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