
こんにちは!
今回は、お子さんの「できた!」を引き出す、可愛らしい手作り教材をご紹介します。
写真の教材は、スプーンを使って黄色いひよこさんを一つずつ容器(お家)に入れてあげる、というシンプルなもの。
この「ひよこさんのお引越し」を通して、子どもたちは遊びながら楽しく指先の使い方(巧緻性)や集中力を養うことができます。
「うちの子、手先が少し不器用かも?」「落ち着いて何かに取り組むのが苦手…」そんなお悩みを持つ保護者の方や、療育・教育現場の先生方に特におすすめしたい教材です。
この教材で身につけられる力
この教材に取り組むことで、主に以下の力が育まれます。
- 指先の巧緻性(器用さ): スプーンを適切に握り、ひよこをそっとすくい上げ、目的の場所まで運び、ゆっくりと置く、という一連の動作を通して、指先や手首の細やかなコントロール能力を高めます。
- 手と目の協応: ひよこの位置や容器の場所を目で見て確認し、手の動きをそれに合わせて調整する力(目と手の連携)を養います。
- 集中力: 一つの作業に注意を向け、最後までやり遂げようとする力を育てます。最初は短い時間からでも大丈夫です。
- 数の概念(1対1対応): ひよこを一つずつ容器に入れる活動を通して、「ひよこ1羽」と「容器1つ」を対応させる経験ができ、数の基礎的な感覚を養います。
- 達成感・自己肯定感: 「全部できた!」「一人でできた!」という成功体験は、子どもの自信や次への意欲につながります。
教科・領域の位置付け
この教材は、様々な教育段階や領域で活用できます。
- 生活科: 身近なものを使った遊び
- 算数: 数と計算(数の概念、1対1対応)
- 自立活動: 身体の動き(巧緻性、協応性)、心理的な安定(集中力、達成感)
教材の使い方(基本)
- 準備: 箱の左側のスペースに、ひよこを全て集めます。右側の容器は空にしておきます。
- 説明: 「ひよこさんをスプーンで優しくすくって、一つずつお家(容器)に入れてあげようね」と、見本を見せながら説明します。
- 活動: お子さんにスプーンを渡し、実際にひよこを容器に移してもらいます。焦らず、お子さんのペースに合わせて見守りましょう。
- 完了: 全てのひよこを容器に入れられたら、「全部お家に入れたね!すごいね!」とたくさん褒めてあげましょう。
うまくいかない場合の工夫
お子さんによっては、最初は難しく感じるかもしれません。そんな時は、以下のような工夫を試してみてください。
- スプーン操作が難しい:
- 持ち手が太いスプーンや、すくう部分が深いスプーンに変えてみる。
- 最初はスプーンではなく、手で掴んで移すことから始める(指先の練習)。
- 大人が手を添えて、動きをサポートする。
- ひよこを落としてしまう:
- 箱の下にトレーやランチョンマットを敷き、落としても散らばりにくくする。
- 「ゆっくり、そーっとね」と声かけをする。
- 容器の縁が高いものを使う。
- 集中力が続かない:
- ひよこの数を少なくして、短い時間で達成感を味わえるようにする。
- タイマーで時間を区切り、「あと少し!」と励ます。
- できたらシールを貼るなど、ご褒美を用意する。
- 容器に入れるのが難しい:
- 容器の数を減らす、または、より大きな容器を使う。
学習活動の流れ
項目 | 内容 |
活動名 | ひよこさんのお引越し |
ねらい | ・スプーン操作に慣れ、指先の巧緻性を高める。・集中して課題に取り組む。 |
対象 | 幼児(3歳〜)、小学校低学年、個別支援が必要な児童 |
準備物 | 本教材(ひよこ、スプーン、容器入り箱) |
活動の流れ | 1. 導入 (2分)・教材を見せ、「かわいいひよこさんがいるね。お引越ししたいんだって」と興味を引きつける。 2. 説明・モデル (3分)・保育者/教師がスプーンでの移し方をゆっくりやって見せる。・「1羽ずつ、優しく、お家に入れてあげよう」と伝える。3. 活動 (5〜10分)・子どもがスプーンを使ってひよこを移す。・必要に応じて声かけやヒント、サポートを行う。・「上手だね」「丁寧だね」など、過程を褒める。 4. まとめ (2分)・全部移し終えたら、「全部お引越しできたね!ひよこさん嬉しいって!」と達成感を共有し、たくさん褒める。・移したひよこを一緒に数えてみる。(「いくつ入ったかな?」) |
評価の視点 | ・意欲的に活動に取り組んでいるか。 ・スプーンを使い、ひよこを移そうとしているか。 ・最後まで集中して取り組めたか。 |
応用・発展
この教材は、お子さんの成長や興味に合わせて、様々な遊び方に発展させることができます。
- 難易度アップ:
- より小さなスプーンや、お箸に挑戦する。
- タイマーを使って、時間内にいくつ移せるか競争する。
- 数の学習:
- 容器に数字シール(1〜9)を貼り、その数だけひよこを入れる。
- サイコロを振り、出た目の数だけひよこを移す。
- 色・形の学習:
- 色違いのポンポンなどを混ぜて、「黄色だけ集めてね」「赤はこのお家ね」と色分けの課題にする。
- ひよこ以外の物(ビーズ、ボタン、豆など)を使い、感触や大きさの違いを楽しむ。
いかがでしたでしょうか?
身近な材料で簡単に準備でき、お子さんの様々な力を引き出す可能性のある教材です。ぜひ、ご家庭や教育現場で試してみてくださいね!
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