
JSL対話型アセスメント(DLA)とは?
日本の学校には外国にルーツを持つ児童生徒が増えており、日本語指導の重要性が高まっています。しかし、日本語が話せても教科学習に必要な日本語能力(学習言語能力)が不足しているケースが多く、適切な支援を行うための客観的な評価ツールが求められています。
**JSL対話型アセスメント(DLA:Dialogic Language Assessment)**は、文部科学省が公開しているもので、外国人児童生徒の日本語能力を対話形式で評価し、一人ひとりに適した指導計画を立てるために開発されたアセスメントツールです。
詳細な情報に関しては、【ChatGPTのdeep researchで、JSL対話型アセスメントDLAについて調査しました】をご覧ください。ふかーく調査して記事化しています!
教師の視点で、アセスメントの仕方について開発を行いました
文部科学省から公開されているDLAに関する情報は様々なサイトに点在していて、全体像を把握するには少々複雑な構造になっています。これにより、検査方法や評価方法など教師が理解して実際のアセスメントを行うまでにある程度の準備が求められることになり、このことがDLAアセスメントを行う上でのハードルになっていると考えられます。
これらのことから、オリジナルの評価表や、取り組みやすい検査キットが準備されていたら先生方の業務効率化が大幅に図れると考えました。
ここに紹介するオリジナル評価表は、文部科学省が作成した「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」を熊本大学本吉研究室が教師の視点でカスタマイズしたものです。DLA評価表(ダウンロード可)とこのサイトを組み合わせることで以下のことができます。
- サイト内でアセスメントDLAについて学ぶことができます
- サイト内にある診断時の検査キットを診断検査で使うことができます
- サイト内のAIチャットボット「DLAサポーター」等で診断結果を分析し、ステージの評価決定に関するサポートを受けることができます
DLA評価表のダウンロード
まずは本吉研究室オリジナルのDLA評価表をダウンロードしてください。(ZIP形式で圧縮していますので解凍してください。なおマクロを含んでいますので、お使いのエクセルをマクロが使えるようになっているか確認してご使用ください。)なお、このエクセルファイルはWindowsのみ対応しています。
※マクロの解除の仕方については、以下の記事でも紹介しています。
https://www.treasure-max.fun/hataraku/

左側が評価表、DLA実施レポートとDLA採点表、AI分析結果、教師の総評の構成としています。右側が各診断シートへのリンクと、診断項目の選定方法やこのサイトと連動した使い方等についての解説があります。先生方が、このDLA評価表(エクセルファイル)と本サイトをPCの画面上で開いて取り組むことをイメージして作成しています。
アセスメントの流れ
DLA診断は以下の6つのステップで構成され、対話を通じて児童の日本語能力を多面的に評価します。
ステップ | 内容 | 目的 |
---|---|---|
①導入会話(約5分) | 児童がリラックスできるよう、日常会話を行う | 児童の生活状況や興味を把握し、安心感を与える |
②はじめの一歩 語彙チェック(約10〜15分) | 絵カードを用いて基本語彙を確認 | 児童の語彙力を測定し、苦手な分野を特定する |
③話す診断(約20〜30分) | 自由会話と指定されたテーマについて話す | 流暢さ、応答の速さ、論理性を評価 |
④読む診断(約20〜30分) | 短い文章を音読し、理解度を確認 | 児童の読解力と読書習慣を測定 |
⑤書く診断(約20〜40分) | 絵やテーマを基に文章を書く | 記述力、構文の理解、文章のまとまりを評価 |
⑥聴く診断(約15〜20分) | 授業場面を想定し、指示や説明を聞く | 児童の聴解力と授業参加の可能性を評価 |
診断の詳細方法については、【ChatGPTのdeep researchで、JSL対話型アセスメントDLAについて調査しました】についてを参考にしてください。
診断キット
検査対象者の検査項目確認のリンク
・対象者にどの検査を行うのか?下記のリンクから確認することができます。
・どのアセスメントを行うのか決定したら、DLA評価表(エクセルファイル)にチェックを入れておくと、その後のアセスメントを迷うことなくスムーズに行うことができます。
アセスメントキットについて
・このコーナーは、各アセスメントで使用する検査のアセスメントキットに関する情報の提供と、このサイト内で検査を行えるようしたものです。本来は、公開されている資料を印刷してカード化したり、作文用紙を作成したりして検査を行うことになっています。各校で判断されてご活用ください。
・実際のアセスメントでは、検査者に対して使用するPCまたはタブレットと教師が使用するPC等にわけて使用したほうが効率的だと思われます。状況に応じて使い分けてください。
はじめの一歩 | 話す | 読む | 書く | 聴く |
導入会話 | 基礎タスク | レベルA | W1 | A1 |
語彙力チェック | 対話タスク | レベルB | W2 | A2 |
認知タスク | レベルC1 (低・中学年用) | W3 | A3 | |
レベルC2 (高学年用) | W4 | B4 | ||
レベルD (中学生用) | W5 | B5 | ||
レベルD (高学年・中学生用) | W6 | B6 | ||
レベルE | W7 | B7 | ||
レベルF | W8 | B8 |
はじめの一歩
導入会話 ダウンロードしたファイルのシートに沿って実施してください。
語彙カード ※カーソルやマウス操作で画像を進めることができます
話す
基礎タスク ※カーソルやマウス操作で画像を進めることができます
対話タスク ※カーソルやマウス操作で画像を進めることができます
認知タスク ※カーソルやマウス操作で画像を進めることができます
読む
アセスメントには、この検査に対応したレベル別テキスト(別冊)(発行:文部科学省初等中等教育局国際教育課(現・文部科学省総合教育政策局国際教育課))が必要です。詳しくは、DLA普及事業 – 東京外国語大学多言語多文化共生センターサイトをご確認ください。入手方法が記載されています。
※テキスト代用についてはこちら↓

書く
下表をもとに子供に応じてテーマを設定して検査を行ってください。


聴く
下表をもとに子供に応じてテーマを設定して検査を行ってください。


A1「遠足」
A2「うんどうかい」
A3「工場見学」
B4「えんそくのおしらせ」
B5「トマトのさいばい」
B6「ごみのゆくえ」
B7「エネルギー」
B8「地震」
全体評価について
DLAの評価結果は、それぞれの項目ごとに**6つの習得段階(ステージ1〜6)**に分類されていて、評価基準が設定されています。(画像をクリックすると拡大します)




AI評価について
評価のサポートを行うAIチャットボットは「DLAサポーター」と「話す(質的評価)サポーター」があります。
【話す(質的評価)サポーター】について
「話す」の評価は、基礎タスク、対話タスク、認知タスクの診断結果から質的評価を行い、その結果から「話す」の評価を行います。DLAサポーターを使う前に、3つのタスク記録の全てをコピーして、話す(質的評価)サポーターで、話すに関する評価を分析させてください。その評価値を話す(質的評価)シートに落とし込んで「話す」の評価を完成させた後、DLAサポーターをご使用ください。
【DLAサポーター】について
その他「読む」「書く」「聴く」は、診断項目を検査者の状況に応じて教師が選択し診断を行ってください。その結果をDLAサポーターにて評価させてください。
DLAサポーターは、「話す」「読む」「書く」「聴く」の各評価参照シートを学習しています。その評価基準をもとにAIで客観的に評価を行います。先生方は、生成された文章を参考にして、最終的な判断は自身で行ってください。
AIチャットボットの評価方法について
「DLAサポーター」と「話す(質的評価)サポーター」による評価の手順について説明します。
1 まず、DLA評価表で診断を行ったシートの結果をコピーします。(各シートにコピーボタンあり)
・話すは、「話す(質的評価)」シート
・その他「読む」「書く」「聴く」は、それぞれ選択して実施した診断シート
2 AIチャットボットに、ペーストします。(右ボタンでペーストしてスタイルを合わせるにしてから貼り付けてください。ここがポイントです!)
【話す(質的評価)サポーター】
【DLAサポーター】
生成AIチャットボットを安全に利用するために
生成AIチャットボットを安全にご利用いただくために、以下の情報は入力しないようご注意ください。
1. 個人情報の入力
生徒や保護者、教職員などの名前、住所、電話番号、メールアドレス、学籍番号など、個人を特定できる情報は一切入力しないでください。
2. 機密情報の入力
学校の運営方針や成績データ、指導計画など、学校の内部資料や機密情報は入力しないでください。これらの情報が外部に漏れるリスクを防ぐため、入力には十分ご注意ください。
チャットボットを使用されましたら、下記のフォームからアンケートへの入力をお願いします。
あなたのコメントが、さらなるチャットボットの開発に役立ちます。💡

【切実なお願いです🙇】研究成果報告にはユーザーからの評価が必要です。チャットボットを使ったら、こちらのリンクからアンケートへ(1分程度)のご協力をお願いいたします🍀
4. 関連教材・リソース
🔗 DLAマニュアル(文部科学省) ダウンロードはこちら
🔗 JSLカリキュラム(指導計画に活用可能) 詳細はこちら
🔗 東京外国語大学「DLA実施マニュアル動画」 視聴はこちら
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