
特別支援教育における学習指導案の作成は、児童生徒一人ひとりの実態や課題を的確に把握し、それに基づいた指導計画を立案することが求められます。
このプロセスを効率化し、質の高い指導案作成をサポートするために開発されたのが、AIチャットボット「実態考案くん」です。
本記事では、「実態考案くん」の詳細な機能と、学習指導案作成における具体的な活用方法についてご紹介します。
AIチャットボット「実態考案くん」とは?
「実態考案くん」は、児童生徒の実態や課題を要約し、それを自立活動の6区分27項目に分類した上で、適切な教科単元を選定し、単元の実態を明確にするサポートを行うAIチャットボットです。これにより、教師は個々の児童生徒に最適な指導計画を効率的に作成することが可能となります。
「実態考案くん」の主な機能
- 実態・課題の要約文作成:児童生徒の詳細な実態や課題を入力すると、AIがそれらを要約し、理解しやすい形で提示します。文章は、肯定的な表現、簡潔な表現、丁寧な表現、専門的な表現など選択できます。
- 自立活動の区分項目への分類:要約された内容を基に、自立活動の6区分27項目に分類し、どの領域に重点を置くべきかを明確にします。
- 適切な教科単元の選定:分類結果を踏まえ、各児童生徒に適した教科や単元を提案します。
- 単元の実態明確化のサポート:選定された単元において、具体的な指導内容や目標を明確化する際の支援を行い、単元での実態文を教師と一緒に考案します。
学習指導案における「実態考案くん」の活用方法
学習指導案の「児童生徒の実態」欄に適切な情報を記入する際、「実態考案くん」を活用することで、以下の手順で効率的に作成できます。
- アセスメント結果の入力:事前に児童生徒の自立活動上の課題を入力します。
- 要約文の生成:「実態考案くん」が入力された情報を基に、児童生徒の実態や課題を要約した文章を生成します。
- 要約文の確認と編集:生成された要約文を確認し、必要に応じて修正や補足を行います。
- 学習指導案への貼り付け:完成した要約文を学習指導案の「児童生徒の実態」欄に貼り付けます。
このプロセスにより、自立活動に関するアセスメント結果から、児童生徒の実態を的確かつ効率的に記述することが可能となり、指導計画の質を向上させることができます。
※先生方の経験を生かした実態文作成の参考となれば幸いです。
「実態考案くん」のメリット
- 効率的な指導案作成:AIのサポートにより、短時間で質の高い学習指導案を作成できます。
- 客観的な実態分析:AIが客観的に実態を分析・分類するため、見落としや偏りを防ぐことができます。
- 教師の負担軽減:煩雑な作業をAIが代行することで、教師は他の教育活動に専念できます。
「課題を一緒に考え、AIチャットボットが支援策を提案します!」は、児童生徒の課題を自立活動の6区分27項目に沿ってアセスメントできるツールです。このサイトでアセスメントを行い、その結果を「実態考案くん」に入力することで、より精度の高い要約文や指導計画の提案が可能となります。
具体的には、以下の手順で連携を行います。
- アセスメントの実施:「課題を一緒に考え、AIチャットボットが支援策を提案します!」で、対象児童生徒の課題をアセスメントします。
- 結果の取得:アセスメント結果を取得し、必要に応じて編集・補足を行います。
- 「実態考案くん」への入力:取得したアセスメント結果をコピーし、「実態考案くん」に貼り付けます。
- 要約文の生成と活用:「実態考案くん」が生成した要約文を学習指導案に活用します。
この連携により、児童生徒の実態把握から指導計画の作成までの一連のプロセスを効率化し、質の高い教育を提供することが可能となります。
【2025/12追記】さらに進化!「できること」から学習指導要領の段階を逆引き判定する新機能プロンプトへの改新!
導入:指導案作成の「あの悩み」をAIで解決
特別支援学校の指導案作成において、最も頭を悩ませるのが**「児童生徒の実態」と「学習指導要領の段階」の紐付け**ではないでしょうか。
「この子は小学部3年だけど、国語の内容は1段階?それとも2段階?」
「実態文を書きたいけれど、指導要領のどの文言を引用すれば適切なのか分からない……」
これまでの「実態考案くん」も便利でしたが、ユーザーが最初に「段階」を指定する必要がありました。今回のアップデートでは、「今できていること」を伝えるだけで、AIが指導要領と照らし合わせて「最適な段階」を提案してくれるようになりました。
進化した3つのポイント
1. 「段階」の逆引き判定機能(アセスメント支援)
これまでは、先生が事前に指導要領をめくり、「第2段階かな?」とアタリをつけてから入力していました。
新しいプロンプトでは、「ひらがなは読めるが、書くのはなぞり書きまで」「一斉指示は通りにくい」といった、ありのままの実態を最初に入力します。すると、AIがナレッジ(学習指導要領CSV)を瞬時に検索し、**「その実態なら、第2段階の内容に合致するので、ここを目標にしましょう」**と根拠を持って提案してくれます。
2. 自立活動6区分27項目との完全連動
実態文の中に、自立活動の視点を組み込むのは専門性が求められる作業です。
新プロンプトでは、教科の実態から「心理的な安定」や「コミュニケーション」などの該当項目を自動分析。「なぜその項目が必要なのか」という理由と共に提示されるため、個別の指導計画との一貫性が保たれます。
3. 「〜は難しいが、〜があればできる」肯定的な記述の徹底
実態文が単なる「できないことリスト」になってはいけません。
今回、「記述のポイント」をプロンプトに厳格に組み込みました。
- 個別性: 指導要領の一般論ではなく、その子のエピソードを反映。
- 支援の明文化: 「〇〇は難しいが、△△の支援があればできる」というセット記述。
- 主体性の尊重: 「〜しようとする」といった前向きな表現への変換。
実際の対話の流れはどう変わった?
新しくなった「実態考案くん」との対話は、より現場のアセスメントに近くなりました。
- 教科を伝える: 「中学部の国語です」
- 実態を話す: 「短い指示は分かるけど、自分の気持ちを文にするのは苦手。写真は大好き」
- AIが判定: 「ナレッジと照合しました。小学部国語2段階の『写真を手がかりに伝えたいことを選ぶ』が最適です。自立活動では『コミュニケーション』に該当します」
- 文章を生成: 指導要領の文言を引用しつつ、その子の特性に配慮した「そのまま使える実態文」を出力。
- 支援案の提案: 「視覚タイマーや絵カードの活用はどうですか?」とAIから事例を提案。
開発の裏側:Difyの「ハイブリッド検索」をフル活用
今回の進化を支えているのは、Difyの**ハイブリッド検索(ベクター検索+全文検索)**の設定です。
「3段階」といった特定のキーワードを漏らさず拾い上げ、かつ「実態のニュアンス」に近い指導要領の項目をAIが的確に見つけ出す。このテクノロジーにより、信憑性の高い引用が可能になりました。
結び:先生の時間を「子どもと向き合う時間」へ
指導案を書くために資料をひっくり返す時間は、AIで短縮できます。
「実態から段階を逆引きする」という新しいアプローチは、先生方の事務負担を軽減するだけでなく、児童生徒一人ひとりをより深く理解するための「強力な副担任」になってくれるはずです。



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