
はじめに:SNSトラブル、座学だけで防げますか?
子どもたちがスマートフォンを持つことが当たり前になった今、SNSでのトラブルは後を絶ちません。「個人情報を送らない」「知らない人に会わない」……教室でいくら口頭で教えても、いざ実際の画面で巧みな言葉を投げかけられると、つい反応してしまうのが子どもたちの実情です。
そこで今回、**「失敗しても大丈夫な安全な空間で、リアルなSNSトラブルを体験できるWebアプリ」**を作成しました。
生成AI(Dify)を活用し、相手役がリアルタイムに会話を返してくる、実践的なトレーニングツールです。
アプリの概要:「SNSマスタートレーニング」

このアプリは、LINEのようなチャット画面で、AIが演じるキャラクターと会話をしながらSNSの使い方を学ぶ教材です。
1. AIが「悪い人」や「困った友達」を熱演
AIは単なるプログラム通りの返答ではなく、その場の会話の流れに合わせて返信をしてきます。
- 「ゲームのランク教えてよ」と親しく近づき、徐々に個人情報を聞き出そうとする人
- 「100万円当たりました」と偽のサイトへ誘導する詐欺業者
- 「パスワード教えて」と頼んでくる友達
生徒は選択肢(または自由入力)で返信を選びますが、もし危険な返信をしてしまうと……
「ちょっとまって!」 と画面が停止し、なぜそれが危険なのか、どう断ればよかったのかをその場で解説してくれます。

2. 特別支援学校から高校まで!「言葉の難易度」調整機能
このアプリの最大の特徴は、**「相手(AI)が話す言葉の難易度」**をワンタップで切り替えられる点です。
- やさしいモード(ひらがな中心)
- 特別支援学校の生徒や、小学校低学年向け。
- 難しい言葉を使わず、分かち書き(スペース空け)でAIが話しかけてきます。
- ふつうモード(漢字あり)
- 中学生・高校生向け。
- 実際のSNSに近い、自然な口調でやり取りが行われます。
これにより、生徒の発達段階や読解力に合わせて、同じシナリオでも無理なく学習に取り組むことができます。

豊富なシナリオで「まさか」を体験
現在搭載しているシナリオは多岐にわたります。
- 知らない人とのDM(個人情報・誘い出し)
- フィッシング詐欺・闇バイトの勧誘
- 友達同士のトラブル(悪口への同調・画像の無断拡散・アカウント貸し借り)
- チェーンメールの対応 など
「知らない人は怖い」だけでなく、「友達からの頼みでも断らなきゃいけないことがある」という、複雑な人間関係のトラブルもシミュレーション可能です。
先生方のメリット:指導に活かせる「ログ機能」
このアプリは、ただ生徒に遊ばせるだけではありません。教師用ツールとしての側面も備えています。
全てのやり取りを自動記録
生徒がAIとどのような会話をし、どのタイミングで「危険な選択」をしてしまったのか。これらは全てGoogleスプレッドシートに自動でログとして記録されます。(※授業の通信環境に合わせてON/OFF切り替え可能)

個別の指導計画に活用
ログを見ることで、教師は生徒一人ひとりの課題を把握できます。
- 「Aさんは、詐欺には引っかからないけど、友達からの頼みは断れない傾向があるな」
- 「Bさんは、個人情報の意味をまだ理解できていないかもしれない」
このように、「どこでつまずいたか」が可視化されるため、勘に頼らない、データに基づいた個別の事後指導が可能になります。

「失敗」こそが最大の学び
現実のSNSで失敗すると、取り返しのつかないことになります。しかし、このアプリの中なら何度失敗しても大丈夫です。
ドキッとする体験を通じて、「あ、これ授業でやったやつだ!」と、いざという時にブレーキが踏める子どもたちを育てたい。そんな思いで作りました。
GIGAスクール端末(ChromebookやiPad)のブラウザですぐに動きます。
ぜひ、先生方の授業でご活用ください!
Proおよびグループ会員の方は、ここからダウンロードできます!



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