
以前、働くための土台作りに欠かせない「職業準備性ピラミッド」。その基本的な考え方について解説しました(下記記事)。
「働く力」は、いきなり身につくものではありません。健康や生活リズムといった日々の「土台」があってこそ、その上の対人スキルや職業スキルが活きてきます。
しかし、実際の支援の現場や自己理解の場面において、「今の自分(または支援対象者)は、ピラミッドのどの部分につまずいているのか?」を客観的に把握し、共有するのは意外と難しいものです。
そこで今回、その課題を解決するための発展形として、ブラウザ上で動く「職業準備性ピラミッド Webチェックシート」を開発しました!
なぜ「Webチェックシート」を作ったのか?
これまでの紙のチェックリストや口頭での確認には、いくつかのハードルがありました。
- 課題が視覚的にわかりにくい: 「生活リズムが少し乱れている」と言われても、それが働く上でどれほどのインパクトを持つのかピンとこない。
- どこから手をつければいいか迷う: 複数の課題がある場合、優先順位がつけられない。
- 「できていないこと」ばかりに目がいく: 減点方式のように感じてしまい、モチベーションが下がる。
今回開発したアプリは、これらの問題を解決し、「次の一歩を一緒に考えるためのツール」としてデザインしています。
進化した4つの機能
1. 回答に合わせてピラミッドの形が変わる(視覚化)
リストの「まだ難しい」と思う項目にチェックを入れると、結果画面でピラミッドの該当箇所がリアルタイムに欠けて表示されます。
「土台が欠けていると、その上に乗っているスキルがグラグラしてしまう」という抽象的な概念を、誰でも一目で直感的に理解できます。

2. 「一番下のつまずき」から優先的にアドバイス
職業準備性ピラミッドの鉄則は「下から順番に固めること」です。
このアプリでは、チェック結果を分析し、課題がある中で最も下の段(基礎となる段)を自動で見つけ出し、「まずはここから一緒に始めましょう」と具体的なアドバイスを提示します。迷うことなく、確実なステップアップをサポートします。

3. 誰もが使いやすいアクセシビリティ(ふりがな機能)
ご本人が自分で操作して自己理解を深められるよう、ワンタップですべての漢字に「ふりがな」を振る機能を搭載しました。専門用語をできるだけ避け、やさしい表現で構成しています。

4. 安心のプライバシー設計(通信なし・印刷対応)
個人情報を扱うアセスメントツールだからこそ、安全性にこだわりました。
- 入力したデータはインターネットに一切送信されません。
- ブラウザを閉じればデータは消去されます。
- ワンクリックで綺麗に紙に印刷できる専用レイアウトを備えており、面談の記録や、ご自宅に持ち帰っての振り返りにそのまま使えます。
ピラミッドの5つの階層とチェック内容
チェックシートでは、以下の5つの段を下から順に確認していきます。
| 階層(下から順に) | この段が意味する「ちから」 | 具体的なチェック内容の例 |
| ① 健康管理 | 心身の調子を整える | 食事のバランス、服薬管理、SOSの出し方 |
| ② 生活リズム | 毎日の暮らしを整える | 起床時間、身だしなみ、お金の管理 |
| ③ 対人技能 | 人と関わる | あいさつ、感情のコントロール、協力 |
| ④ 労働習慣 | 働くときの基本 | ルールを守る、休む時の連絡、報告 |
| ⑤ 職業適性 | 仕事を遂行する | 作業の正確さ、指示の理解、効率 |
支援のポイント
決して「テストの点数をつけるためのもの」ではありません。チェックがつかなかった(=できている)部分はしっかり可視化して自信に繋げ、チェックがついた部分は「これから伸びるしろ」としてポジティブに捉えるためのツールです。
おすすめの使い方
- 就労移行支援や学校の面談で: 支援者とご本人が一緒に画面を見ながらクリックし、「ここが少し欠けているから、来月はここを目標にしようか」と対話のきっかけに。
- 保護者の方とお子様で: 家庭内で「今できていること」「少し手助けが必要なこと」を客観的に整理するために。
- セルフチェックに: 就労を目指す方が、定期的に自分の現在地を確認するルーティンとして。
今すぐ使ってみる
アプリは登録不要・無料で、スマホからでもパソコンからでもすぐにお使いいただけます。
「働くこと」は、日々の暮らしの延長線上にあります。
まずは一番下の土台から。焦らず、自分のペースでピラミッドを積み上げていくために、このツールが少しでもお役に立てば嬉しいです。




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