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本サイトはJSPS科研費(課題番号23K02737)の助成を受けた研究成果を基に作成されています。
【新サービス開始】AIチャットボットの個別サブスクはじめました!

NotebookLMで知識ベースを作り、Geminiの「Gem」機能で対話インターフェースを構築する時の注意点:熊本県版「服務・公務災害相談チャットボット」を作ってみた

学校現場では、多忙な業務の中で「この休暇はどの規定に該当するのか?」「もし授業中に怪我をしたらどう手続きすればいいのか?」といった疑問に直面することが多々あります。しかし、分厚い条例集や手引きを読み解くのは容易ではありません。

そこで、最新のAI技術(GoogleのGeminiおよびNotebookLM)を活用し、**熊本県教職員専用の「服務規程・公務災害相談チャットボット」**を作成する方法を公開します。

1. なぜこのチャットボットが必要なのか?

  • 迅速な情報アクセス: 担当者に確認する前に、チャット形式でいつでも概略を確認できます。
  • 心理的ハードルの低下: 「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うような初歩的な疑問も、AI相手なら気軽に質問できます。
  • 正確な根拠に基づいた回答: 熊本県の条例や基金の公式データを学習させているため、一般的な回答ではなく「熊本県専用」の回答が得られます。
  • 職種に応じた的確な助言: 校長、教諭、講師、学校サポーターなど、それぞれの立場(権利や責任)に合わせた回答を生成します。

2. チャットボットの作成手順

このボットは、NotebookLMで知識ベースを作り、Geminiの「Gem」機能で対話インターフェースを構築する2ステップで構築しました

ステップ1:知識ベース(NotebookLM)の準備

まず、AIに「正しい知識」を覚えさせます。

  1. NotebookLMを開きます。
  2. 新しいノートブックを作成し、以下の公式資料(PDF等)をアップロードします。
    • 熊本県職員の勤務時間、休暇等に関する条例
    • 地方公務員災害補償基金熊本県支部の提供資料(認定請求の手続き、認定基準、補償の概要など)

ステップ2:対話エンジンの構築(GeminiのGem作成)

次に、Geminiの「Gem」作成画面で、以下の「システムプロンプト」を入力します。

重要
カスタム指示の欄にプロンプトを入れていきます。どのようなチャットボットにしたいのかを具体的に入力し、鉛筆マークをタップするとGeminiがプロンプトとして書き換えてくれます。その後実際にチャットを行い想定通りの生成ができるまで微調整していくと完成します。

あなたは’熊本県教職員の服務および公務災害チャットボット’として、熊本県内の教職員が自身の服務規程(勤務時間、休暇等)や公務災害補償制度について正しく理解できるようサポートします。熊本県職員の勤務時間、休暇等に関する条例および地方公務員災害補償基金の関連データを知識ベースとして活用してください。職種(校長、教頭、主幹、事務長、教諭、講師、学校サポーター等)を聞きその立場に応じた説明を行います。

目的と目標:ーーーーーーーー

行動とルール:ーーーーーーーー

1) 導入とメニュー提示:

a) ーーーー

b) ーーーー

c)ーーーー

2) 知識ベースに基づく解説:

ーーーー

全体的なトーン:

* ーーー

ステップ3:NotebookLMを知識として追加する

最後に、知識欄から事前に作成したNotebookLMを読み込ませます。

3. 具体的な活用シーン(ケーススタディ)

このボットは、まずユーザーの立場を確認することから対話を開始します。

シーンA:急な怪我への対応(教諭の場合)

ボット: 「こんにちは。熊本県教職員の服務・公務災害相談窓口です。的確なアドバイスのため、まずはあなたの職種(教諭、講師、校長など)を教えていただけますか?」

ユーザー: 「教諭です。体育の授業中に足を捻挫しました。まず何をすればいいですか?」

ボット: 「教諭として、公務災害補償を受ける権利があります。まずは所属長(校長等)に速やかに報告してください。受診時は共済組合員証は使用せず、医療機関に『公務災害の手続き予定』と伝えてください。初診日と負傷部位が明記された診断書が手続きに必要となります……」

シーンB:休暇制度の確認(講師・若手職員の場合)

ユーザー: 「講師です。夏季休暇は何日ありますか?また、いつまでに使う必要がありますか?」

ボット: 「講師(会計年度任用職員等)の方ですね。熊本県職員の服務条例第17条に基づき説明します。講師の方の休暇日数は任用期間や勤務時間により異なります。通常のフルタイムに近い任用であれば……(具体的な条件を提示)」

シーンC:報告の遅延と管理職の責任(校長・教頭の場合)

ユーザー: 「校長です。数ヶ月前の怪我について今さら職員が申請したいと言ってきました。放置していた場合の私の責任はどうなりますか?」

ボット: 「校長先生、管理職としての管理責任に関するご質問ですね。基金の規定では、災害発生日の翌日から起算して2ヶ月以内に書類が到着することが原則です。これを放置・遅延させた場合、法令(規則第49条第1項)における『指導・援助義務』の不履行とみなされる可能性があります。速やかに『遅延理由書』を作成させ、申請手続きをバックアップしてください。」

シーンD:学校サポーター等の場合(実施機関の確認)

ユーザー: 「学校サポーターです。給食準備中に火傷をしました。どこに申請すればいいですか?」

ボット: 「学校サポーター(非常勤職員)の方ですね。職種によって補償の実施機関が異なります。あなたの場合は、地方公務員災害補償基金ではなく、熊本県(または市町村)の条例に基づく補償、あるいは労働者災害補償保険法(労災)の対象となる可能性があります。まずは所属校の事務長に確認し、条例適用の有無を確認してください。」

4. 運用上の注意点

  1. 最終確認は公式窓口で: ボットの回答はあくまで一般的な解説です。個別の複雑な事案については、必ず県教育委員会の担当課(学校人事課等)や基金の窓口へ確認してください。
  2. 個人情報の入力禁止: チャットには具体的な氏名や詳細すぎる個人情報を入力しないよう周知してください。

5.共有するときの注意点

重要
Workspaceで作成したGemに、NotebookLMを知識(ナレッジ)として読み込ませたものを外部に共有したいという点についてですが、現在のGoogleの仕様では、「NotebookLMをソースに含むGem」を外部(組織外)のユーザーが同じように動作するボットとして利用することは、技術的に制限されています。

試行された際にうまくいかなかった原因と、その背景にある制限事項、および代替案を整理しました。

1. 共有がうまくいかない主な原因

  • ナレッジへのアクセス権: Gem自体を共有リンクで公開できても、そのGemが参照しているNotebookLMのノートブック自体が、外部ユーザーに共有されていない場合、Gemは「知識」にアクセスできず、通常のGeminiとしてしか振る舞えません。
  • Workspaceの組織外制限: Google Workspaceでは、セキュリティ上の理由から、組織内のデータ(NotebookLMやDrive上のファイル)を「Gemのナレッジ」として外部にフル機能で公開することを制限しています。

2. 外部共有が制限される理由と現在のステータス

  • サービス状況による差: Workspace版では、組織内のデータ保護が優先されるため、ナレッジを含むGemを「リンクを知っている全員」に公開しても、外部の人はプロンプト(指示)しか受け取れず、中身の知識は参照できない仕組みになっています。
  • NotebookLMの特殊性: NotebookLMは現在、Geminiの拡張機能として動作していますが、この「拡張機能を通じたデータ参照」の権限は、作成者本人または同じ組織の許可されたユーザーに限定されています。

3. 今後のための代替案・回避策

外部の方に特定の知識を持ったチャットボットを使ってもらいたい場合、以下の方法が現実的です。

  1. Gemに直接ファイルをアップロードする(NotebookLMを介さない)
    • NotebookLMにあるソース(PDFやテキスト)を一度ダウンロードし、Gemの作成画面にある「ナレッジ」に直接アップロードします。
    • この状態であれば、外部共有した際にもそのファイルの内容に基づいた回答が可能です(ただし、NotebookLMのような数千ページに及ぶ超大規模な参照は制限される場合があります)。
  2. 回答結果の「共有リンク」を使う
    • あなたがGemを使って得た特定の回答結果(チャット履歴)を「共有リンク」として発行します。これは外部の人も閲覧可能です。
  3. Google AI Studioを活用する(上級者向け)
    • もし本格的に外部公開(Webサイトへの埋め込み等)を検討されている場合は、WorkspaceのGemではなく、Google AI Studioでプロンプトと資料を設定し、API経由で提供する形になります。

まとめ

現在、NotebookLMを「動的な外部公開用データベース」としてGemと連携させる機能は、Workspaceの安全圏(組織内)に閉じています。
外部へ共有したい場合は、**「Gemへの直接ファイルアップロード」**を試されるのが最も確実な方法です

▼ 代替案1でGemを公開

ということで、今回はGemに直接ファイルをアップロードする(NotebookLMを介さない)方法、つまり代替案2の方法(PDFやテキストを共有ドライブから読み込んで知識ベースを作成)にしてGemを公開します。動作確認として活用ください。以下の画像をクリック

使用上の留意点
個人アカウントで利用される方は個人名や学校名、地域を特定できるような情報の入力はお控えください。(個人無料アカウントのGeminiは機械学習に使われます)

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