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本研究はJSPS科研費(課題番号23K02737)の助成を受けて実施しております。【お願い】研究成果報告にはユーザーからの評価が必要です。チャットボットご使用の際は、アンケートへ(1分程度)のご協力をお願いいたします🍀
【AIチャットボットをご利用の方へ】AIチャットボットの評価アンケートにご協力ください【2〜3分程度】

トラブルがないだけで、こんなに変わる。AIチャットボットを「小さく丁寧に」運営できている理由


はじめに

「無料で使えて助かっています」「丁寧な対応ありがとうございます」
多くの方からいただくこのような声は、私たちにとってとても嬉しい励ましです。

ですが実は、こうした安定した運営ができている裏には、“大きなことをしていない”という選択と、“使う人のリテラシーの高さ”という支えがあります。
今回は、AIチャットボットを**無料のサービスとして公開できている大きな理由のひとつである「トラブルほぼゼロ」と「小規模運営の強み」**についてお話しします。


1. トラブルがないと、運営コストは驚くほど下がる

● 弁護士に依頼する必要性が生じていない

多くのWebサービスでは、トラブル対応に多くのコストがかかっています。たとえば以下のようなものです:

  • 利用者からのクレーム(「こう書かれて不快だった」「誤情報だ」など)
  • データの取り扱いについての問い合わせ(「削除してほしい」「漏洩してないか?」など)
  • 他人の文章や画像の無断利用に関する問題(著作権侵害)

こうした問題が発生すると、法的リスクの判断や、利用規約の修正、損害賠償への備えなどが必要になり、弁護士に相談せざるを得ません。
実際に顧問弁護士を雇う場合、月額2〜5万円、年間では20万円以上の費用がかかるのが一般的です。

ですが、私たちのチャットボットでは、一度も弁護士に依頼するようなトラブルが起きていません
その理由はシンプルです。

利用者の皆さんが、「このサービスは誰のために、どのように使われるべきか」を理解し、節度ある使い方をしてくださっているからです。


● 「ルールを守る人が集まること」も価値

よく「ルールを守らない人がいるのは当然」と言われますが、実は**「最初に集まった人たちがどんなふるまいをしていたか」**が、その後の利用文化を作ります。

私たちはこのチャットボットを、教育に関心のある先生方・支援に関心のある方に向けて、小さく丁寧に届けてきました。
そのため、「荒らす」「攻撃的に使う」「意図的に問題発言をさせる」といった行為がとても少ない状況です。

これは、お金では買えない「空気」です。


2. 小規模・段階的な展開だから、維持費も最小限に

● 法人化していないからこそ、経理・税務コストがゼロに近い

通常、サービスを運営していくと、次のような手続きが必要になります:

  • 法人を設立する(登記費用・定款の認証など:約6〜10万円)
  • 税理士に帳簿作成や申告を依頼する(年間:約15〜30万円)
  • 法人住民税(赤字でも約7万円/年)

でも私たちはまだ法人化しておらず、個人研究者や研究チームとしての運営にとどめています。
このため、こうした法的なコストや税務のコストをすべて回避できています。


● 「必要なところにだけお金をかける」構造にできる

収益化を目的としたサービスでは、多くの人に使ってもらうために以下のような出費が発生します:

  • 広告・SNS運用・マーケティング
  • ユーザー数増加に備えた高スペックのサーバー
  • トラブルに対応するスタッフやシステム

ですが、私たちは今、「必要なところにだけお金を使い、ほかは信頼と工夫でカバーする」という方法を選んでいます。

これは、「科学研究費(科研費)」のような、限られた予算内で実証研究を進めているからこそ実現できている運営スタイルです。


3. ボランティアによる支えも忘れてはいけない

ここまで読んでいただくと、「運営にあまりお金がかかっていないんだ」と思われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

実は、

  • システム開発(UI・チャットの流れ設計)
  • 内容の監修(教育的に正しいか、配慮ある表現か)
  • 利用者からの問い合わせ対応

など、本来であれば外注すれば年間数十万〜数百万円かかるような作業を、専門家がボランティアで担っていることで、コストが見えないところで削減されています。


✅ おわりに:小さく丁寧に始めたからこそ続けられる

教育支援チャットボットは、「大きく事業展開して収益化しよう!」という目的では始まりませんでした。
教育現場の困りごとに、研究者の知恵と技術で応えたい。
その思いから、小さく、ていねいに、信頼できる人たちと一緒に始めたからこそ、今も安定して続けられています。

そして、何より支えてくださっているのは、マナーと理解を持って接してくださるユーザーの皆さんです。

「無料だから」「便利だから」ではなく、互いに信頼を前提に成り立つサービスであることを、これからも大切にしていきたいと考えています。

コメント

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